【青梅が出てくる本】この街を舞台にした・ゆかりのある小説まとめ

こんにちは!baigo.fun(バイゴーファン)です。
夏休みも終わって、そろそろ読書の秋がやってきますね📖
本を読んでいるとき、知っている地名がふいに出てくると、うれしくなりませんか。「あ、あそこだ」と思った瞬間、物語がすっと自分のほうに近づいてくるような感じがします。
青梅は、そういう楽しみができる街です。
地元の青梅が登場する本はないかな……と、調べていくうちに、思っていたよりずっとたくさんの本に出合いました。 今回は8冊をまとめてご紹介します。
青梅のあちこちが登場!小説の舞台になった場所まとめ
本題に入る前に、それぞれの作品に青梅の「どの場所」が出てくるのかを整理してみましょう。
青梅市は意外と広く、エリアごとに違った顔を見せてくれます。
| 場所 | 作品 |
|---|---|
| 調布村(現・青梅市) | 「雪おんな」(小泉八雲『怪談』) |
| 御岳山 | 『神坐す山の物語』 |
| 成木・青梅街道 | 『家康、江戸を建てる』 |
| 新町(旧吉野家住宅) | 『のぼうの城』 |
| 二俣尾 | 『1Q84』 |
| 千ヶ瀬町 | 『Blue』 |
| 市内の工業地帯(ドラマ版) | 『ルーズヴェルト・ゲーム』 |
| 根ヶ布(精興社 本社) | 『平場の月』(映画版) |
青梅のあちこちが、それぞれ別の本に出てくる——こうして並べてみると、なかなか壮観ですよね。
それでは、順にご紹介していきます。
中高生から楽しめる青梅ゆかりの小説
まずは、お子さんと一緒に読めそうなものから。とはいえ中学・高校生くらいからの内容なので、大人が読んでも十分に面白いです。
「雪おんな」(小泉八雲『怪談』)

あの雪女の話が、青梅発祥だといわれているのをご存じでしょうか。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が『怪談』(1904年)に収めた「雪おんな」。八雲は序文で、この話を「武蔵国西多摩郡調布」の農民から聞いたと書いています。調布村は、現在の青梅市にあたる地域です。
秋川街道が多摩川を渡る調布橋のたもとには、「雪おんな縁の地」の碑が建っています。
確定とまでは言えないものの、ほぼ青梅が舞台ではないかとされている一作。日本でいちばん有名な妖怪のひとりが、この街から生まれたのかもしれませんね❄️
『神坐す山の物語』(浅田次郎)

青梅版の『遠野物語』、と呼びたくなる一冊です。
作者の浅田次郎さんは、母方の実家が御岳山の宿坊でした。曽祖父・祖父・伯父と三代にわたって武蔵御嶽神社の神官を務めた家系で、宿坊の名は「山香荘」といいます。
少年時代の浅田さんが、美しい伯母から夜ごと聞かされた怪談めいた話。それが、この作品のもとになっているそうです。舞台は明治から大正にかけての御岳山。
御岳山には今も30世帯以上が暮らす御師(おし)集落があって、江戸時代からの信仰の形が生きています。その世界の内側から書かれた物語、と考えると特別な一冊ですよね。
武蔵御嶽神社の公式サイトでも紹介されています。御岳山に登る前に読んでおくと、山の見え方が変わるかもしれません⛩️
『家康、江戸を建てる』(門井慶喜)
家康が、湿地だった江戸をどうやって町にしていったのか——その工事の物語です。
そのなかに、青梅の石灰が登場します。
江戸城の白い壁に使う漆喰には、大量の石灰が必要でした。そしてその石灰を運ぶために整備されたのが、成木を通る道。現在の青梅街道のはじまりです。
つまり青梅街道は、もともと江戸城のための産業道路だったわけですね。いつも通っているあの道に、そんな役割があったとは。
『のぼうの城』(和田竜)

石田三成率いる豊臣軍の水攻めに耐えた忍城(おしじょう/現・埼玉県行田市)の物語。映画にもなったので、ご存じの方も多いかもしれませんね。
青梅が出てくるのは、物語のその後です。
落城後、忍城の遺臣たちは各地へ散っていきました。そのうちの一部が青梅にたどり着き、新町の開墾に尽力したと伝えられています。
その足跡が、市内に残る文化財「旧吉野家住宅」につながっていきます。小説を読んでから訪ねると、建物の見え方がずいぶん変わりますよ。
『ルーズヴェルト・ゲーム』(池井戸潤)
経営難に陥った精密機器メーカーと、廃部の危機にある社員野球部。その両方の再生を描いた物語です。
実は原作では、舞台がどこなのか明らかにされていません。
ところが2014年のテレビドラマ版では、主人公の会社「青島製作所」の工場が青梅市にあるという設定になりました。
「地元が舞台のドラマ」というのは、それだけで応援したくなるものですよね⚾
ここからは大人向けの青梅ゆかりの小説
内容的にも重めなので、大人の方に。ただし、そのぶん読み応えがあります。
『1Q84』(村上春樹)
村上春樹の代表作のひとつ。この作品に、二俣尾が出てきます。
物語の鍵を握る少女・ふかえり。その後見人である戎野隆之が暮らしているのが、二俣尾なんです。
「なぜ二俣尾なのだろう」と考えてみるのも、この小説の楽しみ方かもしれません。世界的に読まれている作品のなかに、青梅線の駅の名前がぽつんと置かれている——それだけで、少し不思議な気持ちになりませんか。
『Blue』(葉真中顕)
青梅市千ヶ瀬町で起きた凄惨な事件から始まる物語です。
主人公の悲しい生い立ちを、読者が追体験していく構成になっています。かなり重い内容なので、読む方を選ぶ一冊かもしれません。
ただ、この街の名前が、こういう形で小説に刻まれているという事実も、地域を知るということの一部だと思います。
『平場の月』(朝倉かすみ)
50歳になって再会した男女の、切ないラブストーリー。第32回山本周五郎賞を受賞した作品です。
この作品の舞台は青梅ではありません。原作の舞台は、著者が暮らす埼玉県の朝霞・志木・新座あたりです。
では、なぜここに挙げたのか。
実は2025年11月公開の映画版で、主人公・青砥が働く工場のシーンに、株式会社精興社が撮影協力しています。撮影に使われたのは朝霞工場ですが、この精興社の本社があるのが、青梅市根ヶ布なんですね。
……ずいぶん遠回りなつながりですよね。でも、この精興社という会社が、実は読書好きにはとんでもない存在でなので、その話を最後にさせてください。
おまけ:青梅は「本をつくる町」でもあります
ここまで「青梅が出てくる本」をご紹介してきました。
でも調べていて、もっと面白いことに気づいてしまいました。
青梅は、本そのものを作っている町でもあるんです。
先ほど登場した株式会社精興社。1913年創業の、出版印刷を手がける会社です。本社と青梅工場が、青梅市根ヶ布にあります。
そしてこの会社には、「精興社書体」と呼ばれる、独自に育ててきた活字があります。文学書の組版で長く愛されてきた書体で、本好きのあいだではよく知られた存在です。
つまり——。
青梅の話が出てくる本を探していたら、青梅で作られた活字で組まれた本を、私たちはずっと読んでいたのかもしれない。
なんだか、そういうことってありますよね。探していたものが、実はもっと近くにあった、という感動があります。
まとめ:青梅が登場する本を読んで街を歩こう
改めて8冊を並べてみます。
中高生から楽しめる5冊
- 「雪おんな」(小泉八雲『怪談』)……調布村
- 『神坐す山の物語』(浅田次郎)……御岳山
- 『家康、江戸を建てる』(門井慶喜)……成木・青梅街道
- 『のぼうの城』(和田竜)……新町(旧吉野家住宅)
- 『ルーズヴェルト・ゲーム』(池井戸潤)……市内の工業地帯(ドラマ版)
大人向けの3冊
- 『1Q84』(村上春樹)……二俣尾
- 『Blue』(葉真中顕)……千ヶ瀬町
- 『平場の月』(朝倉かすみ)……精興社(映画版の撮影協力)
読んでから歩くもよし、歩いてから読むもよし。同じ場所が、少し違って見えてくるはずです。
「この本にも青梅が出てくるよ」という情報がありましたら、ぜひお問い合わせフォームからお寄せください。このページは、皆さまの情報で育てていきたいと思っています📚
お読みいただきありがとうございました!
参考・出典







