【ドラマの舞台】青島製作所は青梅市にあった|『ルーズヴェルト・ゲーム』と、知られざる青梅の「東側」

こんにちは!baigo.fun(バイゴーファン)です。
先日、池井戸潤さんの『ルーズヴェルト・ゲーム』のドラマ版を見ていて、思わず声が出ました。
なんと、舞台が東京都青梅市だったのです!
『半沢直樹』で知られる池井戸さんは、企業を舞台にした作品を数多く書かれています。
『ルーズヴェルト・ゲーム』もそのひとつで、TBS「日曜劇場」で放送された池井戸作品としては、『半沢直樹』(2013年)に次ぐ2作目として、2014年4月27日から6月22日まで放送されました。
主演は唐沢寿明さんで、社長・細川充を演じています⚾
今回は、この作品と青梅の関係について書いてみます。
「ルーズヴェルト・ゲーム」とは
「点を取られたら取り返し、8対7で決着する試合」——これがタイトルにもなっている「ルーズヴェルト・ゲーム」です。
野球を愛した第32代アメリカ大統領、フランクリン・ルーズヴェルトに由来します。
この言葉が生まれたのは1937年1月。ルーズヴェルトがニューヨーク・タイムズの記者に宛てた手紙の末尾に記したものでした。野球記者協会から招待されたディナーを欠席することを詫びる手紙で、その最後に「一番おもしろいゲームスコアは、8対7だ」と書き添えたのです。
『ルーズヴェルト・ゲーム』の物語は、リーマン・ショックで危機に瀕した中堅電子部品メーカー「青島製作所」と、存続の危機にある同社の野球部をめぐって進みます。
いつ負けてもおかしくないギリギリの状況を「ルーズヴェルト・ゲーム」にたとえているのですね。
青梅には「東側」がある
『ルーズヴェルト・ゲーム』は、原作小説の中では、青島製作所がどこにあるのか明示されていません。
ところがドラマ版では、ナレーションで「東京都青梅市」であることが語られます。原作にない情報が、映像化にあたって足されています。
では、なぜ青梅市が舞台として選ばれたのでしょうか?
物語の舞台としては青梅市が選ばれましたが、実際の撮影は青梅では行われていません。
野球のシーンは豊橋市民球場と豊川市野球場(ともに愛知県)で撮影されました。青島製作所の工場として撮影されたのは豊橋市の武蔵精密工業さん、野球部の練習グラウンドはトピー工業豊橋製造所さんです。技術開発部門のシーンには、埼玉県の日本電業工作・川越事業所さんが撮影協力されています。

青梅市と言えば、多くの方が思い浮かべるのは奥多摩に続く渓谷、深い山、梅の里といったイメージだと思います。
しかしそれは青梅市の西側の話です。
青梅市の東側には、大きな工場や倉庫が並ぶ工業地帯が広がっています。
代表的なのが、圏央道・青梅インターチェンジに隣接する「三ッ原工業団地」。さまざまなものづくり企業が集まるエリアで、市が工場見学ツアーを組むと1日で5社を回れるほどの密度があります。
同じ市内なのに、東と西でまったく顔が違う。これが青梅という町の、あまり知られていない特徴です。
「工業地帯であること」と「自社の野球グラウンドを持てるだけの土地があること」。この2つを同時に満たす場所を東京都内で探すと、候補はかなり絞られます。青梅は、その数少ない答えのひとつなのです。
府中から青梅へ、という読み方
もうひとつ、原作を読んでいて気になった記述があります。
青島製作所の創業者・青島毅が、府中のガレージで開業したという設定です。
府中は多摩地区の玄関口で、東京都のちょうど東西の真ん中あたり。そこで小さく始めた会社が成長し、工場を建てられて、野球グラウンドまで置ける土地を探して西へ向かう——。
そう考えると、青梅にたどり着くのは、かなり現実的な移動です。
実際、多摩地区のものづくり企業には、都心近くで創業して郊外へ広い土地を求めて移った、という歴史を持つところが少なくありません。フィクションの設定が、この地域の産業史をなぞっているように見えますね。
いま、青梅のものづくりを見に行けます
ここからが、地元メディアとしていちばんお伝えしたいことです。
青梅市では近年、自分たちのものづくりを知ってもらう取り組みが盛り上がっています。
青梅産業観光まつり
青梅商工会議所が主催する、市内の事業所・団体による一大イベント。2026年で第58回を数えます。開催は10月1日から11月30日までの期間で、市内各所でさまざまな催しが開かれます。
おうめオープンファクトリー
市内の工場を実際に見学・体験できるイベントです。2026年の開催は11月5日(木)〜7日(土)。
これがとても良い企画だと思っていて、参加企業にとっては採用や新規顧客開拓のきっかけになり、来場者にとっては「東京にこんな技術があったのか」と驚ける機会になります。普段は入れない現場に入れる、というのは単純にわくわくします。
おわりに
青島製作所は、独自の技術で危機を乗り越えた会社でした。
そして青梅市には、独自の技術を磨いている企業が実際にたくさんあります。ドラマの中の話ではなく、この町で今日も動いている現場として存在しています。
渓谷と梅の町という顔は、たしかに青梅の魅力です。でも、インターチェンジのそばで金属を削り、部品を組み立てている顔も、まぎれもなく青梅です。
秋の産業観光まつりやオープンファクトリーで工場を訪ねる機会があれば、ぜひ青島製作所のことを少しだけ思い浮かべてみてください。 見え方が、ちょっと変わるかもしれません⚙️
「うちの会社もドラマみたいな話があるよ」「この作品の舞台も青梅だった」といった情報がありましたら、ぜひお問い合わせフォームからお寄せください。
お読みいただきありがとうございました!
参考・出典


