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千ヶ瀬町一家四人殺害事件(青梅事件)とは?葉真中顕『Blue』の舞台を解説

千ヶ瀬町一家四人殺害事件(青梅事件)とは?葉真中顕『Blue』の舞台を解説
【再植樹10周年】梅の公園に美しい春が帰ってきました

植物ウイルス防除のため、梅の木が姿を消した梅の公園。
「もう一度、この景色が見たい」その一心で、全伐採の悲劇を乗り越えました。
「再植樹10周年」を記念し、地元商店会が記録し続けた貴重な写真とともに、復興の歩みを振り返ります。

\ 今年の春は、ぜひその目で確かめてください /

平成15年12月24日、クリスマスイブの夜に青梅市千ヶ瀬町(ちがせまち)で発生したとされる「千ヶ瀬町一家四人殺害事件」、通称「青梅事件」
これは葉真中顕(はまなかあき)さんのミステリー小説『Blue』の中で描かれる架空の事件です。

物語はこの凄惨な「青梅事件」を中心に、複数の視点や時間軸を交えながら進んでいきます。
今回は、『Blue』の読者やこれから読もうと思っている方に向けて、事件の舞台となっている「青梅市千ヶ瀬町」が実際にどのような町なのかをご紹介します。

目次

千ヶ瀬町ってどんな町?

川沿いの町・千ヶ瀬町

『Blue』は、殺人事件の調査のため、藤崎文吾、沖田数春の2人の刑事が青梅市千ヶ瀬町に降り立つ場面から幕を開けます。

多摩川沿いの青空駐車場に停車した車から降りると、水の臭いと一緒に冷たい風が吹き付けてきた。都心よりも一、二度、川の近くはもっと気温が低い気がする。
(『Blue』20頁より)

調布橋からの眺め
調布橋からの眺め

「東京の田舎」とも呼ばれる青梅は、確かに木陰や自然が多く、都心よりも少し涼しく感じられることが多いです。
さらに、千ヶ瀬町は多摩川に面して東西に細長く広がっている地形のため、藤崎たちも川沿い特有のひんやりとした空気や風を感じたのでしょう。

ごく普通の住宅地

千ヶ瀬町周辺の雰囲気(画像はWikipediaより)

「東京の田舎」というと、田園風景の中にポツンポツンと家があるような場所を想像するかもしれません。
しかし、千ヶ瀬町は青梅市内でも比較的住宅や店舗が密集しているエリアです。

町内には大型スーパーや商業施設、娯楽施設なども揃っており、生活に便利な「ごく普通の住宅地」として発展しています。
つまり、人里離れた薄暗い限界集落で起こった事件ではなく、私たちの日常と地続きのありふれた住宅地で突如として発生した凶悪事件――それこそが、青梅事件のリアルで恐ろしいところなのです。

「雪おんな」縁の土地

『Blue』の作中では、「クイズ王」の異名をもつ刑事・沖田が、千ヶ瀬町に関するこんな雑学を披露する場面があります。

ラフカディオ・ハーンの『怪談』にある雪女の話。あれの舞台が、ちょうどこの辺りなんです。すぐそこにかかっている調布橋のたもとに碑も建っていますよ。
(『Blue』21頁より)

実はこの沖田のセリフ、青梅の史実に基づいています。

「雪おんなの碑」に書かれた『怪談』の序文
「雪おんなの碑」に書かれた『怪談』の序文

小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』に収録されている有名な「雪おんな」。
その英語版の序文には、「武蔵国西多摩郡調布の農夫から聞いた話」であると明記されています。
この「調布」とは現在の調布市のことではなく、当時の「調布村(現在の青梅市千ヶ瀬・長淵などを含むエリア)」のことでした。
また、物語に登場する吹雪の夜の「渡し守の小屋」は、千ヶ瀬町と対岸を結んでいた「千ヶ瀬の渡し」にあった船頭小屋がモデルではないかと推測されています。

「雪おんな縁の地」の碑
『Blue』の舞台巡り(聖地巡礼)の際は、ぜひ「雪おんな縁の地」にもお越しください

現在、千ヶ瀬町にある「調布橋」のたもとには、実際に「雪おんな縁(ゆかり)の地」を示す碑がひっそりと建てられています。
『Blue』の舞台巡り(聖地巡礼)で青梅を訪れた際は、この碑を探してみるのも一興です。

凶悪事件・青梅事件は解決するのか

平成15年12月24日、世間がクリスマスムードに包まれる中で発生した「千ヶ瀬町一家四人殺害事件」。

当初、一家4人を惨殺したのは、長年引きこもり状態だったと言われる一家の次女だと目されていました。
そして、その次女自身も薬物の過剰摂取により、お風呂に入ったまま亡くなっているのが発見されます。

一見すると「引きこもりの娘による無理心中」で片付きそうな事件ですが、現場の家には様々な奇妙な痕跡が残されていました。
さらに、「一家ではない何者かがそこにいた」という不気味な痕跡も……。

葉真中顕『Blue』
ぜひ、平成の青梅を感じてください

果たして、主人公たちは複雑に絡み合う謎を解き明かし、真相にたどり着くことができるのか?
そして、なぜこのような痛ましい事件は発生してしまったのか?

貧困、無戸籍、社会の分断など、現代の様々な闇に鋭く迫る『Blue』。
文庫版で600ページを超える大ボリュームですが、短く区切られた節ごとに真相に迫るピースが散りばめられており、先が気になって一気に読み進めてしまうこと間違いなしです。

青梅のリアルな空気感が漂う傑作ミステリー。ぜひ、千ヶ瀬町の風景を思い浮かべながら読んでみてください。

【再植樹10周年】梅の公園に美しい春が帰ってきました

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