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【青梅大祭の謎】もうひとつの江戸の姿。幻の「一本柱山車」と千ヶ瀬の「猿」

江戸型一本柱山車のからくり(昇降機構)を再現したイメージ図(AI生成)
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毎年5月の青梅大祭を彩る山車。現在青梅で見られるのは屋根のついた「屋台型」ですが、かつては豪華な「江戸型鉾山車(三層高欄鉾台型)」が曳かれていたことは、以前の記事でご紹介しました。

しかし、青梅の歴史を紐解くと、実はさらに古い時代、江戸初期から中期にかけて流行した「一本柱山車」と呼ばれる、まったく別のスタイルの山車が存在していたことがわかります。

今回は、青梅の祭礼史にひっそりと残る幻の「一本柱山車」と、その山車に乗っていた「猿」の人形にまつわるミステリアスなエピソードをご紹介します。

目次

下からスルスル伸びる!?「一本柱山車」の仕組み

江戸型一本柱山車のからくり(昇降機構)を再現したイメージ図(AI生成)
江戸型一本柱山車のからくり(昇降機構)を再現したイメージ図(AI生成)

江戸のお祭りにおいて、三層構造の豪華な「江戸型鉾山車」が登場するより前の時代に全盛だったのが「江戸型一本柱山車」です。

これは、露天の台車に太い「芯柱」を1本立て、その上部に「岩座」を設けて人形(出し印)を飾るという、非常にユニークな構造をしていました。
さらに、青梅の荒田や藤橋などに伝わった「一本柱屋台型山車」は、屋台の後方から芯柱と岩座、そして人形をスルスルと上に立ち上げる(伸ばす)という、驚きのからくり(ギミック)を備えていました。

しかし、一度芯柱を高く上げると簡単に下げることは難しく、時代が下って電線などの障害物が増えると曳行が困難になり、やがて完全に途絶えてしまいました。まさに「幻の山車」と言える存在です。

天下祭のNo.2!住江町から千ヶ瀬町へ渡った「猿」

この珍しい「一本柱山車」のスタイルで青梅の町を練り歩いていたのが、「猿」の人形を乗せた山車です。

猿の山車は、かつての江戸天下祭(山王祭や神田祭)において、なんと全体の二番目に曳かれるという非常に名誉ある格式を持っていたそうです。
この猿人形は、江戸末期の名人形師・三代目原舟月の作とされ、明治4年(1871年)に住江町が川越から購入しました。住江町は明治中期まで、この猿の一本柱山車を住吉祭礼で曳いていたと考えられています。

その後、住江町が新しい山車(神功皇后)を購入したことに伴い、明治10年代半ば頃、この猿の山車は千ヶ瀬町へと譲り渡されました。

12年に一度だけ会える。神社に祀られた猿の頭部

千ヶ瀬町へとやってきた猿の山車ですが、その後、山車として曳かれることはなくなってしまいました。
しかし、その物語にはミステリアスな続きがあります。

明治23年(1890年)、猿の人形の「頭部」だけが、千ヶ瀬町内の日枝神社に御神体として祀られたのです
現在、この猿の頭部は普段はひっそりと眠っており、なんと12年に一度、「申年(さるどし)」の例大祭の時にだけ特別に御開帳されるという、まさに幻の存在となっています。

まとめ:歴史のロマンは町の片隅に

江戸の天下祭で栄華を極め、川越を経て青梅の住江町を練り歩き、最後は千ヶ瀬町の神社で神様として祀られることになった「猿」の人形。

華やかな青梅大祭の喧騒から少し離れた神社の奥深くで、今も静かに町を見守り続けていると思うと、なんとも言えない歴史のロマンを感じませんか?

次回の「申年」には、ぜひ千ヶ瀬町の日枝神社へ、幻の猿人形に会いに行ってみてください!

参考文献

  • 久保田幸司『青梅市の山車 : 東京都青梅市域にみる三〇余の山車と山車人形』エスアイティー東京、2019年
【再植樹10周年】梅の公園に美しい春が帰ってきました

植物ウイルス防除のため、梅の木が姿を消した梅の公園。
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\ 今年の春は、ぜひその目で確かめてください /

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