【青梅大祭ガイド】全12町内の山車を一挙紹介!江戸の粋から独自の彫刻まで、見逃せないポイント

毎年5月2日、3日に開催され、青梅の町を熱気に包む春の風物詩「青梅大祭」。
お祭りの主役といえば、お囃子の音色とともに町中を練り歩く華やかな「山車(だし)」ですよね。
実は、青梅大祭に参加する12の町内の山車は、どれも同じように見えて、一つひとつ全く異なる歴史やテーマを持っているんです!
江戸時代から受け継がれる貴重な文化財から、町内の伝説をモチーフにした独自の意匠まで、知れば知るほどお祭りが面白くなる「山車の見どころ」を、3つのグループに分けて詳しくご紹介します。
目次
江戸の粋を今に伝える「古くからの祭礼町(旧五町)」
江戸時代から続く祭礼町である旧五町の山車は、かつて「江戸型」と呼ばれる背の高い三層構造でした。江戸から買い付けられた貴重な山車や、名人形師による立派な人形を有しているのが特徴です。
- 住江町(旧 宮本町)
明治7年(1874年)作の神功皇后の出陣姿の人形(都梁斎仲秀英作)を有します。現在の山車は新造された美しい白木造りで、名工・須崎秀一による欄間の鳳凰や龍の彫刻は必見です! - 本町
三代目原舟月作による、神功皇后と応神天皇を抱く武内宿弥の人形を有します。山車は明治2年(1869年)頃の作とされ、黒漆塗りに朱をさし、麒麟の高肉彫りが施された重厚な造りです。 - 仲町
かつて静御前の人形を乗せていたまわり舞台の山車。昭和3年(1928年)に作られた現在の山車は、天皇即位と静御前をテーマにし、屋根や懸魚(げぎょ)に「三種の神器」がデザインされているのが見どころです。 - 上町
浅草の福井町から購入された日本武尊の人形を有します。山車本体も江戸時代のものと思われる古風で非常に貴重なもので、福井町の文字が刺繍された幕にも注目してみてください。 - 森下町
嘉永元年(1848年)制作の、潮を呼ぶ満珠を投げる武内宿弥の人形を有します。山車も同時代の安政頃の作で、江戸の人形師・仲秀英の意匠による古い部分を今に残す、歴史的価値の高い一台です。
現在では、人形は山車から降りて、青梅大祭の日には別途展示されています。
その経緯については、こちら👇の記事もご覧ください。
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独自のテーマで彩る「戦後から山車を曳く四町」
戦後から恒例として山車を曳くようになった町内では、町に伝わる伝説や鎮守をテーマにした独自の改修や新造が行われています。
- 滝の上町
千ヶ瀬町などから借用した山車を使用しており、唐花の丸(浮線綾)を織り出した気品ある幕が特徴的です。 - 大柳町
かつて山王祭の千代田区仲町で使われていたと推測される、非常に古い山車を受け継いでいます。一層目の台輪に「仲町」の角文字が彫られている、歴史を感じる貴重な一台です。 - 天ヶ瀬町
平成7年に完成した山車で、町内の伝説「天ヶ瀬淵の龍」と金剛寺の雨乞い伝説がテーマ。幕や彫刻に龍や雨雲がデザインされた、ダイナミックな意匠が見事です。 - 裏宿町
町内の鎮守である摩利支天をテーマに、平成元年に完成しました。幕の文様や、欄間に施された猪の彫刻など、摩利支天にちなんだ力強いデザインが随所に見られます。
際立つ個性!「独立した氏神をもっていた三町」
かつては青梅宿に接する独立した村であり、昭和25年頃から住吉神社の祭礼に参加するようになった三町。それぞれに際立った個性を持つ山車が魅力です。
- 勝沼町
古い彫刻部材を新しい屋台に組み合わせて新造された山車。仙人などを扱った道釈風の彫刻が多く、「12町内の山車の中で最も彫刻がすぐれている」と評されるほどの見事な細工は必見です。 - 西分町
昭和47年に完成した、12町内で唯一の「極彩色」の山車です。黒漆の軸部には沈金が施され、鬼板には素戔鳴尊(すさのおのみこと)が奇稲田姫を擁して剣を抜く姿が彫られた、ひときわ目を引く華やかさです。 - 日向和田
昭和62年に造営された白木造りの山車。和田乃神社の相撲神事にちなんだ軍配団扇の意匠や、海の神(三島神)にちなんで波に鶴亀や鯛を釣る夷神が描かれた幕など、縁起の良いデザインが特徴です。
まとめ
青梅大祭の12台の山車、それぞれに込められた歴史や想いを知ると、お祭りの景色がさらに鮮やかに見えてきませんか?
お囃子の賑やかな音色とともに、ぜひ山車に施された見事な彫刻や美しい幕、そして各町内に飾られた貴重な江戸の山車人形にも注目して、青梅大祭を存分に楽しんでくださいね!
参考
- 齋藤慎一(文)・櫻井保秋(写真)『青梅住吉祭礼』百水社、1997年

